SWEET 1/144 二式水戦の開発について

長年プラモの開発、設計に携わっていると時には、「トイレの神様」の様にプラモには「プラモの女神様」がいて、「プラモの女神様」からご褒美を頂ける事が有ります。

1942年8月ガダルカナル島の対岸のツラギの横浜航空隊の二式水戦部隊が進攻して来た米軍により全滅。米軍は占領後に機体を回収アメリカ本土に持ち帰り、二式水戦を調査した詳細な技術報告書を1943年6月に作成しました。


▼ アメリカ本土に持ち帰り、調査された二式水戦
アメリカ本土に持ち帰り、調査された二式水戦

この貴重な資料が「プラモの女神様」の粋な計らいでSWEETにプゼントされました。これにより今まで謎であった延長された垂直尾翼の寸法や、主浮舟(フロート)の外形形状や各断面形状が解明されました。またオイルクーラーの排気孔位置や補強された胴体のパネルライン等、SWEETが永年調査した考証も追加して、正確な形状の二式水戦を1/144モデルに再現し発売する事となりました。

水上機にとって一番の見せ場はフロートです。中島飛行機の95式水偵のフロートを参考にして三菱の零観のフロート形状が決まり、それを海軍が、二式水戦用に改修して中島にデーター提供しました。水上機の単フロートの形状と技術の伝承を、このモデルからも見て取れます。既存のモデルでは表現されなかった二式水戦の正確なフロート形状やデイテールを、ぜひ御覧下さい。

「二式水戦」はSWEETをこれまで応援し支え続けて下さったファンの皆様への「プラモの女神様」からの、ねぎらいのご褒美なのでしょう。

キットには、地上移動用の台車と波の情景ベース付きです。デカールはカルトグラフ社製。ショートランドに進出した総ての水戦部隊とツラギの横浜空の7機分を用意しました。一箱に2機入りです。

最後に、素晴らしい二式水戦のレジンモデルを製作して私に製品化のきっかけを作って下さった韓国のKim Kyung Hanさん、韓国にて行われた金型のマスターチェック時には会社に休暇届けを出し応援に駆け参じてくれました。またアメリカ在住のAzusa Onoさんは、貴重な二式水戦の技術報告書の資料を、アメリカよりわざわざ持参して届けて下さいました。そしてショートランドの美しい風景の中に凛々しいパイロットと二式水戦の素晴らしいイラストを大西將美さんが描いて下さり製品に花を添えて下さいました。二式水戦製品化に携わった皆様、本当にありがとう御座いました。

決定版!「二式水戦」ぜひ手に取ってお確かめ下さい。
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